<Header>
<Author: 王維>
<Title: 送梓州李使君>
<Format: 格式不明>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文有假名>
<style2: 日本現代譯文附假名標注>
<TranslatedTitle: 梓州の李使君を送る>
<BookPage: 129>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
萬壑樹參天，
千山響杜鵑。
山中一夜雨，
樹杪百重泉。
漢女輸橦布，
巴人訟芋田。
文翁翻教授，
不敢倚先賢。
<End Poem>
<Translation>
蜀（しょ）に至（いた）る山岳地帯（さんがくちたい）の多（おお）くの谷々（たにだに）には、樹木（じゅもく）が天空（てんくう）に突（つ）き入（はい）らんばかりに高（たか）くそびえ立（た）っており、多（おお）くの山々（やまやま）には、蜀（しょ）の地（ち）に生息（せいそく）して哀切（あいせつ）な声（こえ）で鳴（な）くほととぎすの声（こえ）が響（ひび）きわたっているであろう。山中（やまなか）には一晩中（ひとばんちゅう）降（ふ）り続（つず）いた雨（あめ）に、木々（きぎ）のこずえからは、ちょうど百（ひゃく）の泉（いずみ）が重（かさ）なり落（お）ちるような折（おり）もあろう。

さて君（きみ）の任地（にんち）の蜀（しょ）では漢中（かんちゅう）の女（おんな）たちが、蜀（しょ）の特産（とくさん）の橦布（とうふ）を上納（じょうのう）し、巴蜀（はしょく）の男（おとこ）たちは、いも畑（はたけ）について争（あらそ）いを起（お）こして訴訟（しょそう）してくることもあろう。この僻遠未開（へいえんみかい）の地（ち）を、昔（むかし）文翁（ぶんむう）はすっかり変（か）えて文化的（ぶんかてき）な状態（じょうたい）に教化（きょうか）し、決（け）っしてその先人（せんじん）に追随（ついずい）することはなかったという。あなたも、いたずらに先人（せんじん）にならうことなく、存分（ぞんぶん）に治績（ちせき）を挙（あ）げられたらよい。
<End Translation>